石本酒造の本格焼酎造りは、二代蔵元・石本省吾が抱いた「柱焼酎仕込み」への興味と情熱から始まります。江戸時代に確立したこの技法は、発酵末期の醪(もろみ)に焼酎を添加して搾るもので、当時の文献には「しゃんとし、足強く候」、つまり味に締まりが出て美味しくなるとの記述が残っています。石本省吾は、この柱焼酎仕込みを実現するにはまず、良い焼酎を造らねばならないと考えました。試行錯誤の末、越乃寒梅の吟醸造りに直結した独自の焼酎製造法を確立したのは、三代蔵元・石本龍一の頃。そしてその子、四代蔵元・石本龍則の時代においても長くご愛顧いただく逸品となりました。
石本酒造が選んだ技法は、吟醸造りの精米糠(ぬか)と、酒を搾った後の高歩合の大吟醸粕を原料に醪を仕込み、これを搾って出来た酒を、単式蒸溜機で減圧蒸溜するというもの。これによって澄み切ったクリアさと高度数の力強さが共存する、これまでにない贅沢な酒質を生み出すに至りました。
石本酒造では「乙焼酎 古酒」を、焼酎の枠を超えてウイスキーやウォッカと同じ土俵に立てるような「米のプレミアム蒸溜酒」と位置付けています。ウイスキーグラスに注いでロックで、あるいは高度数のため炭酸割りもおすすめですので、ぜひ一度お試しください。
※越ノ寒梅 公式HPから抜粋